伊勢市O様邸 9年点検
こんにちは。アフター担当の中西です。
お家の主治医として、創業以来継続しているオーナー様宅の全棟毎年点検。
今回は、伊勢市O様邸9年点検にお邪魔してきました。
O様邸は「薪ストーブのある暮らし」を楽しまれているお家です。
エアコンでは感じる事が出来ない、体の芯から温まる薪ストーブのぬくもり。
かつて、家の中のエネルギーの担い手は、なんといっても「薪(まき)」でした。
囲炉裏の火が、煮炊き・照明・給湯・暖房といった住宅のすべての用途を賄っていた、そんな時代を経て、今こうして2020年の暮らしにも溶け込んでいます。
何より、薪が燃えて揺らめく様が醸し出す、あのなんとも表現できない「豊かさ」こそ、最大の魅力なのではないでしょうか?
ただそこにいるだけで、心が和む。
ただそれを見つめるだけで、穏やかな気持ちになる。
点検終わりのスタッフ尾崎も、どうやら心が豊かになっているような気がします(笑)
住宅に薪ストーブを取り入れる大きなハードルは、何と言っても、薪を「計画的」に入手するルートの確保です。
O様も、「山男」なる集まりに参加し、間伐をお手伝いし、そのお礼として、軽トラック一杯に薪を頂いて来られるそうです。
山や森林は、間伐をしないと山が荒れてしまいますが、高齢化社会も進み、どんどん間伐の担い手が少なくなっているのが現状です。
原木を処分したい方と、原木が欲しい方。
それぞれの関係は、お互いにありがたい繋がりになっています。
こういう繋がりが、世の中にどんどん広がっていって欲しいですね。
また、薪は遅くとも「1年前」に割り、木はしっかり乾燥させなければなりません。
O様邸でも大量の薪が乾燥されていました。
湿気っていても薪は燃えますが、せっかく得られた熱の多くが、薪の水分を水蒸気にするのに使われてしまい、薪を燃やした割には室内に熱が出てこない。そんな状況になってしまうようです。
手間をかけ、手間を楽しみ、手間と共に暮らす。
薪ストーブは単なる暖房器具ではなく、手間のかかる様々なコトを楽しむ事にこそ、その魅力が詰まっているのかもしれませんね。
定期的な塗り替えをきちんとされているウッドデッキも、まだまだ現役です。
ウッドデッキは経年劣化と共に朽ちるイメージがあるかも分かりませんが、しっかりとメンテナンスしていけば、時を越えるほどに味わい深くなり、美しくなっていきます。
こちらも「薪」と同じく、手間を楽しむ事が大切ですね。
お家は完成する事がゴールではなく、暮らしと共に育んでいくものだと思います。
O様の素敵な育みを拝見させて頂き、とても温かい気持ちにならせて頂きました。
これからも、穏やかで暖かな暮らしを、ぜひ楽しんで下さいね。
有難うございました。